年下男子は恋愛対象になりますか?
「その絆創膏、昨日剥がしました?」

私の視線に気が付いたのか、隼人君が急にそんなことを聞いてきた。

「う、うん。お風呂入る時に」

「あ、すみません。そういう意味じゃなくて……」

質問の意図とは違う答え方をしたらしい私に、苦笑いを浮かべる隼人君。

「え?……えっ!?あ、そういう意味では剥がしてないよ。私なら剥がさないと思うって、隼人君も昨日そう言ってたじゃん」

健太と会う時は剥がしてくれたら嬉しいって電話で言われたことを思い出し、明らかに動揺してしまった。

もしかして健太と会ったのか気にしてる?
それとも私の態度から何か勘づかれたとか?

「そうでしたね。変なこと聞いてすみませんでした」

落ち着くどころか、時間が経つにつれ悪化している気がする。このままだと本当にまずい。

「と、とりあえず中に移動しようか」

「はい。人が多いので、はぐれないようにして下さいね?」

「大丈夫だよ。子供じゃないんだから」

隼人君は笑顔に戻ったけど、私はぎこちない笑顔のまま。
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