年下男子は恋愛対象になりますか?
何となく予想はしていたけど、映画の内容なんて全く頭の中に入ってこなかった。隼人君が持ってくれているポップコーンにも手を付けていない。

チラッと隼人君の方を見ると、目があうことが何回かあって。

その度に微笑んでくれるから、何も勘ぐられてないんじゃ?と胸をなでおろす。でも、まだ油断は出来ない。

「このあと、少しだけ俺の家に寄ってもいいですか?これ置いてきたいと思ってるんですけど」

映画を見終わり出口に向かって歩いていると、隼人君がポップコーンに視線を落としながらそう言った。

「うん、いいよ。暑いし車に置いておくわけにはいかないもんね。隼人君が戻ってる間、私はドラッグストアの駐車場で待ってる」

「はは、昨日の今日ですしやっぱり警戒されてますよね」

「え?あ、ごめん」

おもわず絆創膏が貼ってある場所を手で隠す。

「俺が悪いんですから由夏さんが謝ることないですよ。由夏さんの様子いつもと違いますけど、そんなに警戒しなくて大丈夫ですから」

隼人君のこの言葉に、ぎこちない笑顔が張り付いた。
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