年下男子は恋愛対象になりますか?
階段を下りるとリビングにいた母親と目が合った。興味津々そうな表情をしてるから早めに退散しなきゃ。

「隼人君はコーヒーで良かったかしら?苦手なようなら他のもの用意するけど」

「いつもブラックコーヒー飲んでるから大丈夫。あんまり時間ないからこれだけ貰ってく」

コーヒーの他に焼き菓子とプリンが用意してあったから、それらをダイニングテーブルに置こうとしたら手をバシッと叩かれた。痛い。

「勝手なことしないで全部持っていきなさい。アンタが食べなくても隼人君が食べるかもしれないでしょう」

食べないって言い返したかったけど我慢。
テレビ前にあるソファーでは父親が新聞を読んでいた。うん、上下逆さまだし読めてないよね。

「お父さんずっとあんな感じなの?」

「アンタ達が来る前からね。初めて彼氏連れてくるって言うから、色々と複雑なんだと思うわ」

母親も私と同じように小声。
聞こえてはないだろうけど、父親のこと話してるのはバレてるかも。

「隼人君のこと紹介した方がいいかな?」

「結婚の話が出てるならするべきだけど、そうじゃないならしなくても良いわよ。さっき玄関に誘っても頑なに動かなかったから」

結婚というパワーワードに衝撃を受けつつ、そそくさと自分の部屋に戻った。

「隼人君ごめん、ドア開けてもらえる?」

分かりましたと聞こえたあとに隼人君の姿が見えた。テーブルの上に開いてあった卒業アルバムをどかしてくれたので、トレーをそこに置く。

私もだけど隼人君も結婚だなんて考えたことないでしょ。付き合ってからそんなに経ってないし、隼人君はまだまだ若いし。

「小学生の頃の由夏さんも、中学生の頃の由夏さんも可愛いかったです」

「お世辞ありがと。コーヒー冷めないうちに飲んでね」

「お世辞なんかじゃないですよ。本当に可愛いです」

いたたまれなくなるからやめて。
やっぱり隼人君の目には特別なフィルターがかかってるんだと思う。
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