年下男子は恋愛対象になりますか?
チケットを係の人に渡して、広い体育館の中に入る。外は肌寒かったぐらいなのに暖かい。

後ろの壁際に空いてるスペースがあったから、迷わずそこに移動した。

「俺、ライブって初めてなんです。誘ってくれて本当にありがとうございます」

「それなら良かった」

ライブTシャツのこともっと言われるかと思っていたらそんなことはなくて、隼人君のテンションが上がってるようにも見えた。

薄暗い会場内は人で埋まってきて、真っ暗になったあとステージを照らす光。多くの人が一気に詰めたから、前の方にはそれなりのスペースが出来ている。

私はというとおとなしく眺めていた。
たまに指でリズムを刻んだりするけど、周りの人達と同じく棒立ち状態。

いつもと違って変な感じ。隣に隼人君がいるだけで落ち着かない。

「な、何でこっち見てるの?」

「すみません。由夏さんがどんな顔してるのか見たくなって。前に行きたくなったら、俺のこと気にせず行って下さいね」

チラッと横を見てみたら隼人君と目があって、耳元で質問したらそう返ってきた。まさか、ずっと見てたわけじゃないよね。

「行かないよ。今行ったら目立っちゃうじゃん」

「そうなんですか。熱い由夏さんを見てみたかったので残念です。でも、いつもあんな感じにしてるんですよね?」

盛り上がる曲での熱気は凄い。
拳を突き上げたり、跳んだり、タオル回したり。

「シテマセン」

「はは、何で片言なんですか。引いたりなんてしませんから、別に隠さなくたって大丈夫ですよ」

いたたまれなくなるから、皆と私を重ねて見るのやめてほしい。隼人君かなり笑顔だし。

これ以降はライブどころじゃなかった。
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