年下男子は恋愛対象になりますか?
抱きつきたい気持ちを抑えて、助手席に乗ってもらうよう促した。紺色のチェスターコート着ていても寒そうに見えたから。

といっても、エンジンつけたばかりで車内も寒いんだけど。暖房のゴォーという音が響いている。

「迎えに来たとか言っといて、車に乗せてもらってすみません。俺も早く免許取るようにします」

隣で苦笑いを浮かべている。
1回アパートに帰って自転車を置いてから、わざわざ歩いてきてくれたらしい。隼人君の家の傍だったのは偶然だったけど、このお店にして本当に良かった。

「ううん!運転好きだし気にしないで。それに、来てくれて嬉しかったよ。ありがと」

さっきまでモヤモヤしてたのが嘘みたいだった。

私に向けられた必殺キラキラスマイル。
その顔を見たら、隼人君が着ているコートの袖口を無意識に引っ張っていた。

キス、したい。
おもいっきり抱きしめられたい。

「由夏さん?」

「え?あ、ごめん。何でもない。そろそろ行こうか」

やだ、私ってばお店の駐車場で何考えてんだろ。これは恥ずかしすぎる……!

「今日も寄って行きますよね?後ろに置いてある荷物下ろしてもいいですか?」

いつものコインパーキング。
お店から近いからすぐ着いた。

「あ、待って。えっと、今日は帰ろうかなって思ってて。年末に向けて仕事忙しくなってきたから、その」

まだ落ち着いていなかったから目が泳ぐ。
もちろん寄りたいんだけど、寄ったら帰りたくなくなる。

「そうですか。残念ですけど、明日月曜ですもんね」

でもこないだの金曜泊まらなかったし、昨日は午前中しか会えなかったし、隼人君とゆっくり過ごしたい気持ちもあるわけで。

「……帰らないでって言ってくれないの?」

視線がぶつかった。
顔が熱い。
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