年下男子は恋愛対象になりますか?
「隼人君が土日休める日で大丈夫だと思うんだけど、あとで確認してみる」

「分かりました。あ、それとクリスマスって何日なら会えます?」

隣に移動してきた隼人君が、スマホのカレンダーを見せてくれたので覗き込む。イブである24日は木曜日だった。

「出来れば25日に会いたいかな。隼人君は?」

「俺はいつでも大丈夫です。行きたい場所とかあったら教えて下さいね」

優しくて甘い声。空気が少し変わったから、ほどよく冷めていたマグカップの中身を急いで空にする。

外は来た時よりも寒く感じた。
繋いだ手はコートのポケットの中だから暖かい。隼人君が持ってくれているスーツケースの音がガラガラと聞こえるのは、深夜で交通量が少ないから。

カラフルな電球で装飾されているお店が目に付いた。街灯が多い通り沿いでも、ひときわ目立つ。

「クリスマスの日さ、駅前で待ち合わせしたいかも。イルミネーションで綺麗な場所あるの知ってる?」

「あぁ、東口ですよね。じゃあ由夏さんの仕事が終わったらそこで会いましょう。イルミネーション好きなら、他にもどこか行きましょうか」

「え、いいの?」

返事の代わりに微笑んだと思ったら、一瞬だけ唇が重なった。外でしてくるのは珍しい。

「怒らないなら調子に乗ってもっとしますけど」

「だ、だめに決まってるでしょ!」

「俺も見に行きたいんで良い場所ないか調べてみますね。楽しみが増えて嬉しいです」

ゆっくり歩いたつもりでも、コインパーキングに着くと寂しくなった。後ろのドアを開けて荷物を入れてくれている。

「またね」

「はい。帰り気を付けて下さい」

今日会いに来て良かった。
隼人君に会うと、不安になってたのがバカらしく思える。何も心配することなんてなかったのに。
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