年下男子は恋愛対象になりますか?
金曜日。仕事が終わって隼人君の家に来たら、テレビ台の横に置いてあった紙袋を倒してしまった。中から出てきたのは、テーマパークとイルミネーションの最新ガイドブック。

スマホで調べる派だと思ってたから、こういう本を買ってるのは意外で。自然に顔が緩む。

隼人君がバイトから帰ってくるまでの時間、ワイヤレスイヤホンをつけて読むことにした。

「ごめん、帰って来てたの気が付かなかった!おかえり」

顔の前に手がかざされた。横を向くと隼人君が笑っていて、右耳につけていたイヤホンを外される。

「嬉しそうな顔して何読んでるんですか」

「……嬉しそうに読んでたらダメですか。でも、勝手に読んだのはごめん」

隼人君も嬉しそうな顔してるけどね。
テーマパークから少し離れた場所になっちゃったけど、ホテル予約したって伝えてから浮かれてるようにも見える。

「気になる乗り物とかお店あったら教えて下さいね」

「隼人君もね」

そんな時、私のお腹が鳴った。
何で隼人君が隣に座ってから鳴るかな。帰ってくる前に鳴ってくれれば良かったのに。聞かれた……よね?

「何か食べます?」

ほら、やっぱり聞かれてた。恥ずかしい。

「ごめん、夕飯まだ食べてなくて。あとで買いに行こうって思ってたのに忘れてた。コンビニ行ってくるね」

「簡単なもので良かったら作りましょうか?」

断ったら、一緒にコンビニに行くことになった。脱いだばかりのコートをまた着させちゃって申し訳なくなる。

「あの本ってネットで買ったの?」

「いえ、本屋で買いました」

私がレジ横にあるおでんを選んでいると、隼人君は付箋を持ってきていた。コンビニって何でも売ってるよね。

「私より楽しみにしてない?」

「はは、そうかもしれませんね」

私だって負けてないと思うんだけどな。
こういう何気ない時間も、隼人君といると幸せ。
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