年下男子は恋愛対象になりますか?
空気が重い。気まずい。

ペットボトルの水を数口飲んだあと、ベッドに潜りこんだ。掛け布団を頭までかぶる。

「あの、由」
「さっきのは嘘だから!隼人君が変なこと言ってきたから意地悪しただけ!今日はもう寝るね!おやすみ!」

今度は私が遮った。
強めの口調になっちゃったし、バレバレなのは分かってる。どのみち明日バイト行ったら山岸君に確認するだろうし。

それまでで良いから嘘に付き合って。

「嘘……って、そんなわけないですよね。本当にすみませんでした。でも俺は」

消え入りそうな声。
何で隼人君がそんなに落ち込んでるの?
感情が抑えられなくなってきてるから、今この話はしたくないのに。

「……それは何に対して?何に対して謝ってる?」

あの子と会っていたこと?
笑顔で話してたこと?
それとも、そのことを隠してたこと?

「由夏さんを傷つけてしまったことも含めて全部です!アイツとバイト先で会ってたのは、その、理由があって」

アイツ、か。
名前を呼ばれるのも嫌だけど、これはこれで嫌だな。何て呼べばいいのか聞かれても困るけど。

「うん。浮気でもした?」

「誓ってしてないです!俺が好きなのは由夏さんだけですから!」

声だけでも、隼人君がどんな表情をしているのか想像できた。

「じゃあ悪いことしてないよね?だから謝ることないよ。この話はもう終わりにしよ」

隼人君に貰ったピアスも、お揃いで買った時計も身に付けてたんだよ。嫌いになったならこんなことしてない。

「それって、俺の話は聞きたくない……ってことですか?」

「違うよ。聞く必要がないだけ」

あの子に関することなんてもう聞きたくない。聞いたら今以上に胸が苦しくなる。
こうなる前に話してほしかった。

「由夏さんに誤解されてると思うので、それを解きたいんです」

隼人君も必死だけど私も必死だった。
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