年下男子は恋愛対象になりますか?
「出来れば外に出たい、です。今更って言われるかもしれないですけど、由夏さん一人の時に家にあがるのは良くないと思うので」

今度は妙にソワソワし始めた隼人君。
親がいつ帰ってくるか分からない状況だし、そうなるのも分かる。

落ち込んだり笑ったり忙しいと思ったけど、そうさせたのは私。いや、元凶は隼人君……って仲直りするって決めたんだから、こんなこと考えちゃダメ。

「出かけるならメイクしたいんだけどいい?さすがにこの格好じゃ行けないや」

大丈夫。苦笑いかもしれないけど一応笑えてる。

「じゃあ俺の家に行きませんか?それならそのままでも大丈夫ですよね?……って、すみません。散らかってるの思い出したので、やっぱり他の場所にしましょう。行きたいお店とかあります?」

やってしまった。
隼人君が途中で意見を変えたのは、私の表情を見たからだと思う。家に行こうって言われた時、顔がこわばったのバレた。

「ご、ごめん!えっと」

「何で由夏さんが謝るんですか。本当に散らかっていて見せられないだけです。俺、さっきのコンビニで待ってますね」

柔らかく微笑みながらそう言って、残っていたコーヒーを一気飲みしたあと立ち上がった。

「え?ちょ、待っ」

「急がなくて大丈夫ですから、ゆっくり準備して下さい」

こんなつもりじゃなかったのに私のバカ。
玄関まで追いかけられなかったし、気持ち切り替えるのって難しすぎる。

急いで着替えてメイクして、ピアスと腕時計を身に付けた。見ても悲しくならなかったと言ったら嘘になるけど、今はそれどころじゃない。

隼人君にこれから向かうねとメッセージを送ったあと、美樹に焼き肉行くと送った。

大丈夫。前みたいに過ごせる。出来る。

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