年下男子は恋愛対象になりますか?
コンビニの駐車場に車を停めてメッセージアプリを開いた時、助手席の方からコンコンと聴こえた。隼人君が微笑みながら窓を軽く叩いている。

落ち込んでいたら嫌だなと思ってたから、その表情を見てホッとした。さっきみたいなことにならないよう気を付けなくちゃ。

「待たせちゃってごめん。乗って」

「いえ、全然待ってないですよ」

助手席側の窓を開けて会話する。
この車に隼人君を乗せるの久しぶりな気がしたけど、考えてみたら2週間ぐらいしか経っていないんだよね。

「行きたい所あります?」

「あ、ごめん!考えるの忘れてた。隼人君はある?」

苦笑いされたような気がして申し訳なくなった。そうだよね。さっき隼人君の家に行こうって言われて、気まずくなったばっかりなのに。

でも、ピアスと腕時計を身に付けてるのは気が付いたよね?嫌いになったわけじゃないんだよ。





「ねぇ、今の見た!?」

数年ぶりのボウリング。
10ピン全部倒れたことに驚いて、思わず隼人君に確認してしまった。両手を向けてくれたのでハイタッチ。

「見てました。久しぶりなのにストライクだなんて凄いですね。俺より由夏さんの方が上手だと思います」

「本当?それは嬉しいかも」

お互いまだお腹空いてないってことで、隼人君がボウリングとゲームセンターを提案してくれた。

人が多くて賑やかな場所にしてくれたのは、気遣ってくれたからだと思う。

その後の結果はボロボロで、隼人君とだいぶ差がついたけど。最初のストライクはビギナーズラックみたいなものだったのかも。

「隼人君ってボウリングも上手なんだね。勝てるって思った私がバカだった。でも、いつか勝ちたい」

「また一緒に来ましょうね」

隼人君が嬉しそうに笑いながらそう言った。
大丈夫。私も楽しいし、笑えてる。
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