年下男子は恋愛対象になりますか?
「その……大学とバイトがある日は会えそうになくて、これからのこと悩んでる」

こんな言い方はズルいかもしれない。
でも別れたくない気持ちもあって、どうしたらいいのか分からないの。解決法があるなら誰か教えて。

次の瞬間、体を引き寄せられて抱きしめられた。久しぶりに感じた隼人君の温もり。こうするのも約1ヶ月ぶりだった。

嫌じゃない。
嫌なわけじゃない、けど。

「年末年始バイト入れていません!毎日一緒に過ごしましょう!それで……、それで少しでも、考えてることが良い方に変わってくれたら嬉しいです」

背中にまわされていた腕に力が入る。
頑張ってもダメだったのに、変わることなんてあるのかな。不安しかない。それに。

「夏から実家帰ってないでしょ?顔見せてきなよ。クロちゃんの写真や動画撮ったら送ってね」

私の家ではペット飼っていないから、隼人君の実家で飼ってる黒猫のクロちゃんは癒しの存在で。いつか触ってみたいとも思ってた。

「こんな状況で帰れない、です。来月の3連休もバイト入れていないので、一緒に過ごしましょう。クロの写真とかは家族に送ってもらいますから」

「え?ちょ、離して」

いつも、そんなにバイト休まないのに。
抱きしめられたまま離してくれなかったけど、それでも力を入れて訴え続けた。

「すみません。次に会ってもらえる日を決めてもらうまでは離せません。お願いします、どうしても会いたいんです」

「わ、分かったから!予定確認したいから離して。ね?」

ライブも遊びの予定も何もなかった。
離してもらうためについた嘘。隼人君の顔を見ないように鞄からスマホを取り出して、カレンダーアプリを一応開く。

12月30日から1月3日まで休みだけど、どうしよう。毎日はさすがに……って、ちょっと待って。

発見したのは「成人の日」という赤い文字だった。
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