年下男子は恋愛対象になりますか?
「そうなんすね。邪魔しちゃ悪いんで帰ります。これ、隼人に渡しといて下さい」

階段を上り終えたタイミングで渡されたビニール袋。受け取った瞬間、ズシンときた重み。他に誰かいる様子はなかった。

ほら、やっぱり大丈夫だった。
隼人君と仲が良い友達なら連れて来ないよね。うん。

「会っていかないの?」

「あー、じゃあ少しだけ」

ヒョイと取り上げられて両手が軽くなる。
私が持つと言っても、ドア開けて下さいと言われただけで渡してくれることはなくて。さっき重そうにしちゃったから運んでくれたんだと思う。

「声かけてくるね」

「それは大丈夫っす。看病よろしくお願いします」

荷物を中に置いたら帰ろうとしていて、疑ってしまったことに申し訳なくなった。あの件だって、きっと。

「あ、ちょっと待って」

それなのに、玄関に置いてある隼人君のキーケースを見たら、つい呼び止めてしまっていた。プレゼントした本人に聞けるわけなんてないし、こんな彼女ウザすぎるし重すぎる。

「途中まで一緒に行こうかな」

「マジっすか。それなら隼人に言ってきて下さいね?黙って行くと後が怖いんで」

「あはは、分かった」

適当な理由を咄嗟に言った。
買い物行くところだったのは本当だし、別に不自然じゃない。

「いやいやいや、ダメですからね?何でそんなことになるんですか」

振り向くと、隼人君が部屋から出てきていた。少し前よりも呼吸が荒くなってるし、顔が赤くなっている。解熱剤はまだ効いていないみたいだった。

「寝てなきゃダメだって」

「よ。思ってたよりも重症そうだな。彼氏の許可下りなかったんで帰りまーす。隼人、お大事に」

「あぁ、連絡返せなくて悪かった」

笑顔で手をヒラヒラさせたあと、イケメン君がドアを閉める。考えてみたら2人で歩くのはおかしいし、隼人君が来てくれて良かったのかも。

「ほら、ベッドに戻ろ」

「由夏さんと買い物行きたかったです」

「元気になったらね」

10分ぐらい経ってから外に出ると、階段を下りた所にさっき帰ったはずの人がいた。
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