年下男子は恋愛対象になりますか?
「ここで、ですか?」

視線が痛い。
指輪とは分かっていないだろうけど、何を隠したのか絶対怪しまれてる。鞄も持ってきちゃったし。

「うん。起こしちゃったら悪いと思って。もう少しスマホいじりたいから、私のことは気にせず先に寝てて?」

「ここは寒いですし戻りましょうよ。何か温かい物でも飲みます?」

「ううん、大丈夫」

こうして話している間も指輪と格闘していた。
落ち着け、落ち着いたらきっと取れる。

「…………分かりました。このあとは由夏さんがベッド使って下さい。由夏さんが寝てから交換するつもりでしたし、何も気にしないで下さいね」

少しの沈黙後、隼人君が微笑みながらそう言って洗面所から出て行った。静かに閉まったドア。そのあと指輪はすんなり取れた。



「隼人君、寝ちゃった……?」

ソファーに横になっている隼人君に声をかける。豆電気じゃなくて普通に電気がついていたけど、私が立っている場所からでは顔が見えない。

「起きてます。でも、この場所は譲りませんから。明日は水族館行くんですしもう寝ましょう。おやすみなさい」

「……おやすみ」

また静かになった部屋。
暗くしても眠れるわけなんてなくて、じっと動かず時間が過ぎるのを待つことにした。

結婚式のあと会って、
テーマパークに泊まりがけで行って、
クリスマスにイルミネーション見たかったな。そうしたら指輪だって、今頃──

ふと、余計なことを考えてしまった。
楽しく過ごす為に邪魔なこと。
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