年下男子は恋愛対象になりますか?
お土産が売っているショップで、商品を眺めながら歩いている時だった。欲しかったチンアナゴとニシキアナゴの抱きまくらを発見して足が止まる。

「荷物なら俺が持ちますから心配しないで下さい。それぞれ1つずつでいいですか?」

悩んでいると隼人君にそう言われた。
しかも、私の言葉を聞く前に取ろうとしている。

「電車だし今日はいいや」

「前に欲しいって言ってましたよね?せっかくですし買いましょうよ」

「いいの。それより、まだ見てないところあるし店内を周ろ?ね?」

抱きまくらを陳列棚に戻して、腕を引っ張って強引に移動した。

買うとしても小さいものにしなきゃ。
いざとなったら、どこかにしまえるもの。連休明けたらきっと──

って、ダメだ。
東京なら大丈夫だと思ってたのに、ふとした時にネガティブモードになっちゃう。これって、どうやったら治るんだろ。

「抱きまくらがダメなら、これを由夏さんにプレゼントしてもいいですか?」

隼人君の視線の先にあったのは、チンアナゴとニシキアナゴの小さなぬいぐるみ。初めて隼人君と水族館に行った時に、交換したものと同じぐらいのサイズだった。

「ありがと。じゃあ、私も隼人君に何かプレゼントするね」

「ありがとうございます!由夏さんが嫌じゃなかったら、同じ物がいいです!」

「うん」

水族館を出る前に記念メダルの自動販売機を見付けて、チンアナゴのイラストが描いてあるものを隼人君が買ってくれた。可愛い。

「ここ出たらどうしましょうか。行きたいとこれあります?」

「んー、隼人君はある?」

まだ夕方だけど、外はもう暗くなっている。
思い付きで来たこともあって、水族館以外の場所は考えていなかった。

「東京来た時、いつも寄る場所とかないんですか?」

「あはは、ライブハウスかカラオケばっかりだよ。隼人君にソファーで寝てもらっちゃったし体キツイでしょ?帰ろっか」

駅の方に向かおうとしたら、手を握って引き止められた。
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