年下男子は恋愛対象になりますか?
手袋を既に身につけていた私と、素手のままだった隼人君。買ったものを持っていてくれたから、つけるタイミングがなかったのかも。

「俺は全然大丈夫です。由夏さんは疲れてます?」

「私は大丈夫だけど」

「なら、もう少し東京にいたいです。良かったらプラネタリウムに行きませんか?すぐ近くにあるんです」

様子を伺うように尋ねてくる。
東京のプラネタリウムは来たことがないけど、私達の間ではしばらく会話に出てこなかった場所だった。

夏に行こうと約束してた日、健太とのことで喧嘩したことがあったから。

あの時は隼人君のおかげで仲直り出来た。
それなのに私は何で。

「……大人になりたいな」

「大人、ですか?由夏さんは充分素敵な大人だと思いますよ?」

心の中の声がどうやら外に漏れていたらしい。笑顔でそう言われて、いたたまれなくなった。

「ありがと。いいよ、行こうか。行きたい場所あったなら、もっと早く言ってくれれば良かったのに」

「すみません。でも、こうして行けることになって嬉しいです」

隼人君の言ってた通り、プラネタリウムはすぐ近くにあった。売り切れかと心配していたチケットも無事に買えて、時間もちょうど良かったから中へと入る。

「私達の席ってどこだっけ?」

「一般席なので安心して下さい」

さりげなく聞いたつもりなのに、そう言われてしまった。ということは、顔に出ているか心を読まれているわけで。

視界にドンッと入り込んで来たのは、前の方にいくつかあったカップルシート。その後ろに一般席がある。

今だから嫌なわけじゃない。
こうなる前だって、きっとあそこには座れなかったと思う。周りの視線気になっちゃいそうだし、落ち着かないだろうし、私には無理……!

「楽しみですね」

「うん」

映画館とかでもそうだけど、隼人君はさりげなく男性側の方に座ってくれる。今回もそうだった。
< 711 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop