年下男子は恋愛対象になりますか?
ラーメンを食べ終えて外に出る。
何度目かの「このあとどうしようか」という会話をしたあと、帰る為に駅へと向かうことになった。

「明日なんですけど初詣行きません?」

「いいね、お正月っぽい」

「お雑煮も作りますね。おせちはどうしましょうか?他にも食べたい物あったら何でも言って下さい」

隣を見てみたら目が合った。
今日の隼人君は、いつになく笑っている気がする。

「隼人君の中での私のイメージって、食べ物大好きって感じなんだろうな」

「はは、急にどうしたんですか?」

「だって……。さっきラーメン食べたばっかりなのに、また食べ物の話をしてきたから」

「由夏さんの胃袋を掴みたくて必死なだけですよ。それと」

何かを言いかけたのに、また笑って誤魔化された。



駅に近付くにつれお互いの口数が減っていって、手袋越しに手が触れたと思ったら、次の瞬間ギュッと握られた。

そのまま混雑している電車に乗り込む。
しばらく座れそうにないのはいつものこと。席に座れるようになってからも、手は繋いだままだった。

景色を眺めていたら右側が温かくなる。
隼人君は寝ているのか、私に寄りかかってきた。ソファーだったしあまり眠れてなかったのかも。

「すみません!俺、何でこんな時に寝て……」

「疲れてるでしょ?着いたら起こすから、それまで寝てなよ。私も行く時寝ちゃってたし、何も気にしないで大丈夫だから」

この電車の揺れは心地いいよね。
寝不足でお腹いっぱいの状態だと尚更。

「寝たまま年越ししたくないので起きてます」

「じゃあ、日付変わる少し前に起こしてあげる」

「ありがとうございます。でも起きていたいので、気持ちだけもらっておきます」

目的地に着く頃にはお正月になっている。
付き合って初めての年越しは電車の中。うまく言えないけど私達らしい気もする。
< 714 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop