年下男子は恋愛対象になりますか?
「えっと、ごめん。電話かかってきたから今は無理かな。ちょっと外で話してくるね」

本当は電話なんてかかってきていなかったけど、断る口実がそれしか浮かばなかった。バレないようにスマホをポケットにしまって、足早に外に出る。

隼人君の声が聞きたい。
5コールだけ鳴らしてみて、それで出なかったら諦めよう。通話をタップしてからスマホを耳にあてた。

『はい、もしもし』

「急にゴメンね?今は何してたの?」

穏やかで優しい声にホッとする。
電話越しにいるのは、いつもの隼人君。

『実家でクロとのんびりしていました。電話してくれて嬉しいです。由夏さんは今大丈夫なんですか?』

「うん、隼人君の声が聞きたくなって。明日って夕方から飲み会あるんだよね?」

『はい。せっかくなので顔を出そうと思っています。由夏さんは明後日帰ってくるんですよね?』

「うん。楽しんできてね」

コートを着てきても外は寒かった。
話すたびに息が白くなっている。まぁ、皆といるしあんまり長い時間電話できないんだけど。

『由夏さん、もしかして何かありました?』

隼人君の質問に胸がドクンとなる。
変に焦っちゃダメ。平常心、平常心……

「何で?」

と言ったところで、これは隠し事になるんじゃと不安になる。もう気まずくなりたくないけど、今隼人君に言うわけにもいかない。それと、私は隠し事がヘタなわけで。

『いえ、何かそんな気がして』

「あー、ごめんね。弘樹達が新しい子連れてきて、逃げるように電話してるからかも」

『……男、ですか?』

「うん。隼人君や蓮と同じ歳くらいの子。何か苦手で……。あ、関わらないようにするから何も心配しないでね」

嘘は言っていない。肝心なことも言っていないけど。

『何かあったらすぐに連絡して下さいね?』

「うん、ありがと」

落ち着く為に、電話している時ずっと服の上から指輪を触っていた。これが私の癖になっているのかも。
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