年下男子は恋愛対象になりますか?
店内に戻ると、私がさっきまで座っていた場所にあの子が座っていた。彩達と話していて動く様子がなかったから、その手前にあるテーブル席に腰をかける。

「よ、由夏。昂輝君と知り合いだったんだな」

隣にいた弘樹が、ジントニックを飲みながら私に問いかける。向かいの席にいる勇太と蓮も興味津々みたい。そうだよね、こんな偶然なかなかないもんね。

「……知り合いって程でもないよ。それよりどうして昂輝君と知り合ったの?」

実際、昂輝って名前なのも今知ったし。
自称隼人君の知り合いってことしか何も知らないわけで。それと本名なのかも怪しい。

「ライブ会場のコインロッカーに荷物入れてる時たまたま隣にいてさ、昂輝君のスマホにステッカーが貼ってあったから声かけたんだよ」

「そしたら気が合ったんだよな」

「歳も俺の1つ上で近いしね」

弘樹、勇太、蓮が次々と話している。
蓮と隼人君は同じ歳だから、あの子の歳をこの時初めて知った。隼人君と同じじゃなかったんだ。てっきりそうだと思ってた。

弘樹から話しかけたってことは、今回のことは本当に偶然なのかもしれない。ライブ好きなら色々なバンドを観に行ってもおかしくないし。

「弘樹ってコミュ力高いよね」

2人きりにならなければ大丈夫かな。
そう思っていたのに、このあとそうは言っていられなくなる。

「由夏さん、電話終わったのなら話せまんか?吉澤隼人君のことで話があるんです。皆さんすみません、ちょっと由夏さんお借りしますね」

美樹のことを見たけど、手を合わせてゴメンと謝っていた。引き止められなくて謝ってくれてるのかも。

「……いいけど、このお店の中にして」

「分かりました。じゃあ端の席に移動しましょうか」

こうして、入口近くのカウンター席に並んで座ることになった。
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