年下男子は恋愛対象になりますか?
グラスを持って最初に座っていた席に戻る。
隣にいる美樹には心配そうな顔をされて、向かいにいる晴香と彩には不思議そうな顔をされた。

「俺そろそろ帰りますね。今日は誘ってくださってありがとうございました。またね、由夏ちゃん」

グラスビールを飲み干して、北斗さんにお会計をお願いしている。そのあと手をヒラヒラさせて外へと出て行った。

「由夏ちゃんって呼ばれるの変な感じだよねー。仲が良いわけじゃないから、苗字で呼んでって言ったんだけどなー。あははは」

弘樹達男性陣の視線も私に集まる。

「悪い。誘わない方が良かった、よな?」

「本当に偶然だったんでしょ?それなら仕方ないし、何も気にしないでよ。いつかは会って話をしなくちゃいけなかったし」

空気を悪くしたくないから笑顔を繕ってみたけど、気を遣ってくれたのか特に何も言われることもなくて。ライブ仲間のこういう所ありがたい。大好き。

そのあともお酒を飲む気分にはなれなくて、ひと足早くホテルへと戻ることにした。美樹にどうするか聞くと、まだ飲むと返ってきて。

皆に別れを告げ外に出てあと、鞄に入れていたスマホを取り出す。

「あはは、可愛い」

隼人君の実家で飼っている黒猫――クロの写真や動画に思わず笑みがこぼれた。声が聞きたくなって、すぐさま電話をかける。

『はい、もしもし』

「たくさんの画像と動画ありがとね」

『由夏さんが少しでも癒されてくれたらいいなって思ったんです。飲み会は終わったんですか?』

「ううん、私だけ切り上げて来ちゃった。だからしばらく電話しよ?」

『もちろんです』

ホテルまでの道のりも電話していたら寂しくない。と同時に、あの子と会ったこと言った方がいいんじゃないかという気持ちが強くなってきてもいた。

「……隼人君、そっちはもう電車ないよね?」

『はい。田舎なのでないですね。それがどうしたんですか?』

「実はね、その、年末に声かけてきた子に会ったの」
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