年下男子は恋愛対象になりますか?
スマホの向こう側が静かになって、ドクンと胸がなる。お願いだから何か言って。

『……さっきの電話で言っていた苦手な子が、そいつだったってわけですか?』

隼人君の声のトーンが明らかに変わった。
これはきっと怒ってる。私がそうさせてしまった。

「うん。でも何も心配しないで?少し前に帰っていったし、もう一緒にいないから」

『何でさっき言ってくれなかったんですか。俺ってそんなに信用ないですか?』

「違う。心配かけたくなかっただけ。それと隼人君なら今からこっちに来るって言いかねないと思って、それで」

会いたいけど、さすがにそれはダメ。
私のせいで成人式に参加しないのは嫌。

『……行ったら迷惑でしたか?』

「そんなことないよ。ただ、成人式にはどうしても参加してほしかったの。ごめん、ホテルに着いたから部屋までは無言になるね」

右手でスマホを握りしめながらエレベーターに乗る。ドアが開いたのと同時に降りて足早に部屋へと向かった。

鞄を椅子に置いてスマホと向き合う。そして画面をタップしてスピーカーにした。

「おまたせ。大丈夫だったらでいいんだけどビデオ通話しない?隼人君の顔を見て話したい」

『分かりました』

スマホに映し出された隼人君の表情は、どことなく不機嫌で。やっぱり今日言わない方が良かったのかもと不安になった。

「さっきの電話で言わなくてごめんね。動揺していたせいもあって、その。隼人君と気まずくなりたくなくて、話すことにしたんだけど……本当にごめん」

『……そんなに謝らないで下さい。そいつに何か言われました?』

「うん。やっぱりあの子――松田瑞穂ちゃんが絡んでた。どうしても私と隼人君を別れさせたいみたい」

『俺のせいで迷惑かけてすみません。諦めてくれとは言ってあるんですけど……』

「ううん、隼人君のせいじゃないよ」

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