砂浜に描いたうたかたの夢
「凪くんは計画立てるの得意?」

「うーん、一応立てるけど、完璧に進んだことはあまりないなぁ。計画性ある人って憧れるよね。時間の使い方上手そうだし、仕事もプライベートも充実してそうだし」



指を折りながら利点を数える凪くん。

仕事かぁ……。



「一花ちゃんは将来これしたいなとか、夢や目標ってあるの?」

「うっ」



ドキッとして、のどから小さく呻くような声が出た。

どうしてそうピンポイントで突っ込むかなぁ⁉ 昨日も似たようなことあったよね⁉ 読心術習ってるんですか⁉



「……うん。一応」

「そうなんだ。俺は水に関する仕事と、絵に関する仕事。昔からコロコロ変わってたけど、系統は一貫してるんだよね」



尋ねてもないのに自分の夢を語り始めた。

ううっ、ズルいよ凪くん。そんな堂々と言われたら、私まで話さなきゃいけない空気になるじゃないか。



「一花ちゃんは?」

「……笑わないで聞いてくれる?」

「もちろん。聞かせて」
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