砂浜に描いたうたかたの夢
◇
「本当に、今日はありがとうございました」
「いえいえ。力になれたのなら光栄です」
弱い日射しが降り注ぐ午後5時半。誰もいない高台で深々とお辞儀をした。
愚痴を聞いてもらって、励ましてもらって。さらには手までスケッチさせてもらって……何から何までお世話になってしまった。
「明日の分は考えてるの?」
「いや……まだ」
とはいえ、夏休みはまだ3週間弱。ネタがありふれた地元に帰るのは4日後なので、その場しのぎでは終われない。
あと他にあるのは……食べ物系? 毎日3食のご飯とか? でも、それこそネタ切れだって思われちゃいそう。
かといって、セミの抜け殻には頼りたくないし……。
「まぁ、この辺でいったら海しかないもんね。街に行ってみたら何かあるかもだけど」
「街? 新幹線の駅があるところの?」
「いや、そっちじゃなくて、毎日買い出しに行くほうの。あそこ、町の中心部にショッピングモールがあるんだよ」
「本当に、今日はありがとうございました」
「いえいえ。力になれたのなら光栄です」
弱い日射しが降り注ぐ午後5時半。誰もいない高台で深々とお辞儀をした。
愚痴を聞いてもらって、励ましてもらって。さらには手までスケッチさせてもらって……何から何までお世話になってしまった。
「明日の分は考えてるの?」
「いや……まだ」
とはいえ、夏休みはまだ3週間弱。ネタがありふれた地元に帰るのは4日後なので、その場しのぎでは終われない。
あと他にあるのは……食べ物系? 毎日3食のご飯とか? でも、それこそネタ切れだって思われちゃいそう。
かといって、セミの抜け殻には頼りたくないし……。
「まぁ、この辺でいったら海しかないもんね。街に行ってみたら何かあるかもだけど」
「街? 新幹線の駅があるところの?」
「いや、そっちじゃなくて、毎日買い出しに行くほうの。あそこ、町の中心部にショッピングモールがあるんだよ」