砂浜に描いたうたかたの夢
スマホをポケットにしまい、小さく溜め息をつく。
『帰省=休暇』と捉えていたとはいえ、せめてアクセサリーの1つくらい持ってくれば良かった。
だからその分、今日は髪型を変えてみたんだけど……どんな反応するかな。
高鳴ってきた胸を深呼吸で落ち着かせて歩を進めると、奥に白いアロハシャツを着た男の人がポツンと立っているのを見つけた。
凪くんだ……!
近づいて声をかけ……ようとしたのだけど、一歩踏み出したところで止まってしまった。
華やかさを加えた全身モノトーン。上品で落ち着きのある凪くんの雰囲気に合っていて、すごく様になっている。
だけど、私が視線を奪われたのは、服よりも彼の横顔。
枕を吟味している真剣な眼差し。いつもとは違う表情に胸がときめいてしまった。
──ピピッ、ピピッ。
ポケットに入れたスマホが音を立てて振動し始めた。
いけない、うっとりしてたらもう5分前に……。
「あっ、一花ちゃん!」
アラームを止めていると、その音に気づいた凪くんがコロッと表情を変えて近寄ってきた。
『帰省=休暇』と捉えていたとはいえ、せめてアクセサリーの1つくらい持ってくれば良かった。
だからその分、今日は髪型を変えてみたんだけど……どんな反応するかな。
高鳴ってきた胸を深呼吸で落ち着かせて歩を進めると、奥に白いアロハシャツを着た男の人がポツンと立っているのを見つけた。
凪くんだ……!
近づいて声をかけ……ようとしたのだけど、一歩踏み出したところで止まってしまった。
華やかさを加えた全身モノトーン。上品で落ち着きのある凪くんの雰囲気に合っていて、すごく様になっている。
だけど、私が視線を奪われたのは、服よりも彼の横顔。
枕を吟味している真剣な眼差し。いつもとは違う表情に胸がときめいてしまった。
──ピピッ、ピピッ。
ポケットに入れたスマホが音を立てて振動し始めた。
いけない、うっとりしてたらもう5分前に……。
「あっ、一花ちゃん!」
アラームを止めていると、その音に気づいた凪くんがコロッと表情を変えて近寄ってきた。