砂浜に描いたうたかたの夢
「酔ってたとはいえ、その怒り方は尋常じゃないね……」

「だよね? 匂いがきつかったのかな……」

「いや、他の原因だと思うよ。だってジョニーくんがいるんだよ? 匂いに敏感になってたら、出す以前にジョニーくんに怒ってただろうし」



力強く言われて、確かになと納得する。

言われてみれば、私が準備する前から戯れていた。あの時点で結構酔いが回ってたし、匂いに敏感になってたら、スキンシップでさえ拒むはずだ。


じゃあ凪くんの言うように、他に原因が……?



「もしかしたら、アレルギーがあったとかは?」



頭を捻っていると、凪くんが仮説を立てた。



「食物アレルギーのこと?」

「そう。一花ちゃんが作った料理の中に、体質的に食べられない物があったのかも」



記憶をたどり、食材を1つずつ確認する。

豆腐、納豆、ネギ、ゴマ、醤油、桃。
うーん、どれも特に思い当たる節はないなぁ。



「特には……。仮にあったとしても、あそこまで怒る必要は……」

「いや怒るよ!」
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