砂浜に描いたうたかたの夢
『一緒に戦おうと約束したのに破ってしまった』
戦友を失った悲しみから自責の念に駆られ、食事ものどを通らなくなり、退院後も毎週のように通院するばかり。
未来に希望を見出せなくなり、仲間を裏切った人間が生きてもいいのだろうかと、人生を投げ出すことまで考えたらしい。
けれど、後輩、上官、亡き戦友の家族、妻である曾祖母から叱咤激励を受け、彼らの分まで生きることを決意したという。
お鈴を鳴らして手を合わせる。
最後まで諦めず、生きることを選んでくれてありがとう。そして、命を繋いでくれてありがとう。
沢山ごちそう作って待ってるから、安全運転で帰ってきてね。
心の中で感謝を述べ、写真立ての中の曾祖父に微笑みかけた。
「ふあぁぁぁ〜っ」
その直後、場の空気にそぐわない声が後方で響いた。
「叔父さん! おはようございます!」
「おお〜っ、智くん。おはよぉ〜」
布団の上であくびをする父に冷めた目を向ける。
戦友を失った悲しみから自責の念に駆られ、食事ものどを通らなくなり、退院後も毎週のように通院するばかり。
未来に希望を見出せなくなり、仲間を裏切った人間が生きてもいいのだろうかと、人生を投げ出すことまで考えたらしい。
けれど、後輩、上官、亡き戦友の家族、妻である曾祖母から叱咤激励を受け、彼らの分まで生きることを決意したという。
お鈴を鳴らして手を合わせる。
最後まで諦めず、生きることを選んでくれてありがとう。そして、命を繋いでくれてありがとう。
沢山ごちそう作って待ってるから、安全運転で帰ってきてね。
心の中で感謝を述べ、写真立ての中の曾祖父に微笑みかけた。
「ふあぁぁぁ〜っ」
その直後、場の空気にそぐわない声が後方で響いた。
「叔父さん! おはようございます!」
「おお〜っ、智くん。おはよぉ〜」
布団の上であくびをする父に冷めた目を向ける。