砂浜に描いたうたかたの夢
仲間のため、家族のため、懸命に生きた祖父の昔話が繰り広げられていたとはつゆ知らず、隣の部屋でぐーすかぐーすか。
お盆初日から二日酔いで寝坊した孫の姿を、曾祖父は今、どんな顔で、どんな気持ちで見ているのだろうか。
「んんっ? なんか美味そうな物飾ってんな〜」
「ダメだよ食べちゃ! ひいおじいちゃんが帰ってこれなくなっちゃう!」
うわぁ最低。悲しむどころかドン引きしたよね。それか呆れたかな。
同じ子孫として恥ずかしい。帰ってきたら爪の垢をもらって煎じて飲ませてやりたいよ。
だらしない姿で再びあくびをした父に「お盆が終わるまでは指一本たりとも触るな」と、厳しく釘を刺したのだった。
◇
昼食を挟み、化学のプリントに取り組むこと数時間。
──ピピッ、ピピッ。
第2章の最後の問題を解き終えたのとほぼ同時にスマホのアラームが鳴った。
時間ピッタリ。ナイスタイミング。
宿題と筆記具を片づけて、海水浴に行く準備に取りかかる。
お盆初日から二日酔いで寝坊した孫の姿を、曾祖父は今、どんな顔で、どんな気持ちで見ているのだろうか。
「んんっ? なんか美味そうな物飾ってんな〜」
「ダメだよ食べちゃ! ひいおじいちゃんが帰ってこれなくなっちゃう!」
うわぁ最低。悲しむどころかドン引きしたよね。それか呆れたかな。
同じ子孫として恥ずかしい。帰ってきたら爪の垢をもらって煎じて飲ませてやりたいよ。
だらしない姿で再びあくびをした父に「お盆が終わるまでは指一本たりとも触るな」と、厳しく釘を刺したのだった。
◇
昼食を挟み、化学のプリントに取り組むこと数時間。
──ピピッ、ピピッ。
第2章の最後の問題を解き終えたのとほぼ同時にスマホのアラームが鳴った。
時間ピッタリ。ナイスタイミング。
宿題と筆記具を片づけて、海水浴に行く準備に取りかかる。