砂浜に描いたうたかたの夢
「シュッとしててかっこいい〜。消波ブロックも骨みたいで珍しいね!」

「う、うん……」



顔を合わせると、なぜか口を押さえて目を逸らされた。肩は小刻みに震えており、手で覆われた口元からはふふふと笑い声が漏れている。



「えっ……私、何か変なこと言った?」

「いや。骨って言うとは思わなくて……」

「ええっ⁉ 私は骨に見えるけど……見えない?」

「俺はダンベルに見える」



再度目を凝らす。
ジョニーのおもちゃと形が似てたから、それに引っ張られちゃったのかも。


奥側の先端に向かい、灯台をメインに海岸の写真を数枚撮影。

今日の分のネタを収穫し終えて一安心した私は、その場に腰を下ろした。



「ありがとう。これで今日も安心して描ける」

「えっ、明日の分じゃないの?」

「明日は最終日だから、ちょっと違った物を描きたくって」



帰省期間は7泊8日。月曜日に来たので、こっちに泊まるのは明日の日曜日で最後。あっという間だったな。
< 195 / 322 >

この作品をシェア

pagetop