砂浜に描いたうたかたの夢
「そっか……。じゃあ帰るのは明後日?」

「うん。午前中で掃除して、お昼に帰る予定なんだ」



凪くんと出会った日から今日までを振り返る。


スケッチさせてもらったり、悩みを聞いてもらったり、2人でおでかけしたり。短期間だったけど、すごく幸せだった。

明日はとことん楽しんで、凪くんとの思い出を心に刻みつけるぞ。



「一花ちゃん」

「ん?」

「急で悪いんだけど……明日、午前中に出てこれない?」



意気込んだタイミングで、突然集合時間の変更をお願いされた。



「マジごめん。宿題もあるのに、急だよね」

「大丈夫! 宿題は午後に回せばいいんだし! 何か用事思い出した?」

「うん。実は……」



申し訳なさそうな表情で話し始めた。


今朝、ご飯を食べながらニュース番組を観ていたという凪くん。

明日の天気を確認したら、昼から天気が荒れる恐れがあると言われ、戸惑ったらしい。



「元々日曜日は雨が降る予報だったけど、降水確率30%だったから大丈夫だろうと思ってた。でも、雷を伴う雨って言われて、少し気になって」
< 196 / 322 >

この作品をシェア

pagetop