砂浜に描いたうたかたの夢
いつも自分勝手でごめんなさい。いつも年下らしからぬ失礼なことを言って本当にごめんなさい。

この分の借りは必ず返しますので、どうかお許しください。


ペコペコと頭を下げながら、海のある方角に向かって謝罪の念を飛ばした。



「なら、お留守番する人達のご飯を考えなきゃね」

「そうね。何がいいかしら」



話し合いを再開した2人の後ろで、自分も作業を再開する。


お留守番の人達……おじいちゃんとお父さんと智のことだよね? あとジョニーも。

お昼に外出するとはいえ、冷蔵庫に食材はあるし、朝炊いたご飯もまだ残ってる。わざわざ作り置きしなくてもいいんじゃ……。



「おじいちゃん達、料理できないの?」



聞き流していたが、どうしても気になりスルーできず、質問を投げかけた。



「ううん。全くできないわけじゃないの。むしろ昔は、一花ちゃんみたいによく作ってたほう。ね、お母さん」

「ええ。ただちょっと、加減が分からないだけなの」



眉尻を下げて苦笑いする伯母と祖母。過去に作った料理で何かあったのだと見て取れた。
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