砂浜に描いたうたかたの夢
追及される前に説明した。


今朝はひいおばあちゃんが先に起きていたけれど、老眼だから、仮に見たとしても水着だとは判別できない。

他に考えられるとしたら……夜中トイレに行って手を洗う時、ドアの隙間から見えた。とか。二日酔いならトイレに行く回数も多かっただろうし。



「あー、だからあの時デカい袋持ってたのか」

「うん」



短く返事をしてそそくさと退散する。
せっかく早く準備が終わったのに、道草食ってたら意味がない。



「そっか。良かったな、早めに宿題終わって」



しかし、昨日の智の時と同様、今回もそう簡単には解放させてもらえなかった。



「絵日記はまだ残ってるみたいだが、持ってきたやつはもう全部終わったんだろう?」

「…………いや」



数秒沈黙を置いた後、包み隠さず答えた。



「え……まだ残ってるのか?」

「……化学のプリントが、2ページだけ」
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