砂浜に描いたうたかたの夢
聞こえなかったふりをして逃げようかとも思ったのだけど、それはあからさますぎて怪しまれるのがオチ。
嘘をついても、今日も午後から部屋を借りる予定なため、終わったと思い込んだ父が祖父母を呼びに来る可能性もある。
なので結局、正直に白状するしかなかったのだ。
「でも、お昼にするから大丈夫」
宿題をサボって遊びに行くわけではないと伝えるも、父の口から、はぁ……と溜め息が漏れた。
この呆れた様子の溜め息は、父が合流した時にも耳にしている。
恐らくこの次に発せられる言葉は……。
「そうやってお前は大事なことを後回しにするのか」
「違う! 本当は朝やろうと思ってたんだよ! でもお昼から雨だっていうから午後に変えただけ!」
「それを後回しと言うんだよ。それに、たった2ページならすぐ終わらせられるだろう。そんなシャレた頭にする時間があったら」
説教モードに入った父が、私の髪の毛を顎で差した。
たった2ページ、されど2ページ。
そりゃあ数だけ見たら少ないよね。集中すれば1時間もかからないだろうって。
嘘をついても、今日も午後から部屋を借りる予定なため、終わったと思い込んだ父が祖父母を呼びに来る可能性もある。
なので結局、正直に白状するしかなかったのだ。
「でも、お昼にするから大丈夫」
宿題をサボって遊びに行くわけではないと伝えるも、父の口から、はぁ……と溜め息が漏れた。
この呆れた様子の溜め息は、父が合流した時にも耳にしている。
恐らくこの次に発せられる言葉は……。
「そうやってお前は大事なことを後回しにするのか」
「違う! 本当は朝やろうと思ってたんだよ! でもお昼から雨だっていうから午後に変えただけ!」
「それを後回しと言うんだよ。それに、たった2ページならすぐ終わらせられるだろう。そんなシャレた頭にする時間があったら」
説教モードに入った父が、私の髪の毛を顎で差した。
たった2ページ、されど2ページ。
そりゃあ数だけ見たら少ないよね。集中すれば1時間もかからないだろうって。