砂浜に描いたうたかたの夢
煽り口調で返すと、父はジョニーの頭から手を離して立ち上がった。

親に向かって口答えするなんて。反抗期だからって生意気すぎる。そんな声が聞こえてきそうなほど、険しい表情を浮かべている。


だけど、私達子どもも頑張ってるんだよ。


宿題の量に頭がパンクしそうになっても、苦手な問題や難しい問題にぶち当たっても、乗り越えようと毎日試行錯誤してるんだよ。


それを、大人の目線で「たった」の3文字で片づけないでほしい。

というか……親ならそこは「よく頑張ったな!」って、努力を褒め称えるところだよね?



「……お父さんって、いつもそうだよね。人の都合も考えないで、好き勝手言って」

「おい、話を逸らすな」

「この帰省もそうだよね。私の意見丸無視で勝手に話進めて。どこかに連れて行ってとは言ったけど、自分は仕事があるからって、10年近く帰ってない家に普通子供1人で行かせる?」



冷静を保っていたが、我慢の限界に達してしまった。

怒りが声色に表れていたのか、空気を察知したジョニーがクゥーンクゥーンと不安そうに鳴き始めた。
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