砂浜に描いたうたかたの夢
ドアのノック音と看護師さんの声で我に返った。
点滴を外してもらっている最中、私以外にも運ばれた人がいないかを尋ねたのだけれど、返ってきたのは、やはり父と同じ答え。
智にも同じ質問をしたものの、『そんな絶世イケメン、いたら記憶に残ってるに決まってるだろ』と、一蹴されてしまった。
別室に移動すると検査が行われた。
数時間に及んだので心配していたが、早期発見だったためか、奇跡的に問題なしと診断をもらい、その日のうちに退院することができた。
伯母に車で迎えに来てもらい、帰路に就く。
「ただいまー」
引き戸を開けた父に続いて中に入ると、ドタバタと走ってくる足音が迎えにやってきた。
「一花ちゃん……!」
靴を脱いでいる途中、泣き腫らした目をした祖父と祖母、そしてジョニーまでもが玄関に集まった。
「ごめんなさいっ、約束、してたのにっ」
「いいのよ。ステーキよりも、一花ちゃんのほうが大事なんだから……っ」
頭を撫でられて、背中を擦られて、体温に包まれて。収まった涙が息を吹き返す。
鼻水が出てきたのでティッシュをもらおうとすると、ジョニーが立ち上がって抱きついてきた。
点滴を外してもらっている最中、私以外にも運ばれた人がいないかを尋ねたのだけれど、返ってきたのは、やはり父と同じ答え。
智にも同じ質問をしたものの、『そんな絶世イケメン、いたら記憶に残ってるに決まってるだろ』と、一蹴されてしまった。
別室に移動すると検査が行われた。
数時間に及んだので心配していたが、早期発見だったためか、奇跡的に問題なしと診断をもらい、その日のうちに退院することができた。
伯母に車で迎えに来てもらい、帰路に就く。
「ただいまー」
引き戸を開けた父に続いて中に入ると、ドタバタと走ってくる足音が迎えにやってきた。
「一花ちゃん……!」
靴を脱いでいる途中、泣き腫らした目をした祖父と祖母、そしてジョニーまでもが玄関に集まった。
「ごめんなさいっ、約束、してたのにっ」
「いいのよ。ステーキよりも、一花ちゃんのほうが大事なんだから……っ」
頭を撫でられて、背中を擦られて、体温に包まれて。収まった涙が息を吹き返す。
鼻水が出てきたのでティッシュをもらおうとすると、ジョニーが立ち上がって抱きついてきた。