砂浜に描いたうたかたの夢
2回往復し、100メートルを泳ぎきった。
「どうだった?」
「……あの、先輩、最近どこか具合悪いんですか?」
近寄ってゴーグルを外すと、怪訝そうな顔でストップウォッチを見る後輩の姿が。
「いや? 雨で気分は下がり気味だけど、体調面は特に何も。そんなに悪かった?」
「……前回よりも、下がってます」
見せてくれた画面には、一昨日よりも5秒以上遅れた数字が表示されていた。
嘘だろ……なんで? 計測ミスじゃないよな?
普段通り泳いだのに、自己ベストの10秒近くも下回ってるなんて……。
突きつけられた現実。頭を鈍器で殴られたような感覚がした。
◇
「お前、何かあった?」
「えっ?」
駐輪場を出て校門に向かう途中、理桜が顔色をうかがうように尋ねてきた。部活終わりに合流したため、一緒に帰ることになったのだ。
「最近、ふと見たらボーッとしてる時が多いからさ。珍しいなと思って」
「どうだった?」
「……あの、先輩、最近どこか具合悪いんですか?」
近寄ってゴーグルを外すと、怪訝そうな顔でストップウォッチを見る後輩の姿が。
「いや? 雨で気分は下がり気味だけど、体調面は特に何も。そんなに悪かった?」
「……前回よりも、下がってます」
見せてくれた画面には、一昨日よりも5秒以上遅れた数字が表示されていた。
嘘だろ……なんで? 計測ミスじゃないよな?
普段通り泳いだのに、自己ベストの10秒近くも下回ってるなんて……。
突きつけられた現実。頭を鈍器で殴られたような感覚がした。
◇
「お前、何かあった?」
「えっ?」
駐輪場を出て校門に向かう途中、理桜が顔色をうかがうように尋ねてきた。部活終わりに合流したため、一緒に帰ることになったのだ。
「最近、ふと見たらボーッとしてる時が多いからさ。珍しいなと思って」