砂浜に描いたうたかたの夢
祖父と智には、テーブルと席の設置と、曾祖母とジョニーのお世話を。

祖母と伯母と私は、車に乗って近所のスーパーへ向かった。

お惣菜とオードブルを購入して帰宅し、台所でお皿に盛りつける。

ちなみに台所は居間とは別室。そのため冷房はなく、数分動けばすぐ汗だくになる。

多くの人なら、ベタベタして気持ち悪いとか、早く着替えたいと愚痴を漏らすだろうけど……。



「わぁ! 一花ちゃん、切るの上手ね!」

「あら本当! これは百人力だわ〜」

「えへへ。ありがとうございます」



得意の包丁さばきを褒められて、気分は最高潮。だって私、料理するの大好きだから!

しかも今日は、お刺身やお肉など、大好物だらけ。着替えは持ってきたので、多少汗をかいても気にしない。


設置を終えた2人に配膳を手伝ってもらい、最後に、伯母が買ってくれたメロンを切り分ける。

甘い部分が均等になるよう、慎重に包丁を入れて8等分。


1つは、お金を出してくれた香織おばさんに。
もう1つは、仏壇のひいおじいちゃんに。

せっかくならみんなで味わいたいからね。
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