砂浜に描いたうたかたの夢
薄暗い玄関扉の前で、祖父に返事をした私達。

食後の運動も兼ねて、ジョニーの散歩に同行することにしたのだ。



「えっ、毎日2時間散歩してるの⁉」

「大型犬だからねぇ。その分運動量も多いんだよ」



真っ暗になった住宅街を、4人(正しくは3人と1匹)で歩いていく。

祖父によると、朝晩それぞれ1時間程度。これをほぼ毎日続けているらしい。



「なるほど。だからテーブルも軽々運べたのか。他にも何か運動してるの?」

「もちろん。週に数回スクワットをしているよ。時間がある時は、おばあちゃんと一緒にラジオ体操もするかな」

「おおーっ。めちゃめちゃ健康的!」



祖父母に向けられた褒め言葉が、自身の胸にグサッと突き刺さる。


10代の私より、70代のおじいちゃん達のほうが何倍も運動してるだなんて……。

そっか。若々しいと感じたのは、定期的に運動していたからだったんだ。



「……毎日散歩したら、痩せるかな」

「おや、ダイエットかい?」
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