砂浜に描いたうたかたの夢
曲がり角に差しかかると、道路の反対側に祖父と同世代くらいの男の人が歩いているのが見えた。
「ねぇ、おじいちゃんは、タダシさんっていう人知ってる?」
その光景を見てふと思い出したので尋ねてみた。
「タダシ……一体どこでその名前を?」
「ひいおばあちゃん。昨日と、さっき洗面所で会った時、私の顔見てそう呼んでたの。もしかして、ご近所さんに似てる人がいるの?」
目を丸くする祖父に対面した時のことも踏まえて説明し、再度尋ねた。
名前の世代的に、息子か孫の子ども時代を重ねていたのかなと考えた。しかし、それなら呼び捨てか、◯◯くんと呼ぶはず。
自分の子孫にさん付けする人もいるかもしれないけど、おじいちゃんのこと、ヒロマサって呼び捨てしてたから、多分身内ではないだろう。
当てはまるとしたら、ご近所さんくらいだと思ったのだ。
「そうか……」
ポツリと呟き、感慨深そうに頷いた祖父。反応を見る限り、知っているっぽい。
「ご近所さんではないよ。タダシは、おじいちゃんのお父さん。一花ちゃんのひいおじいちゃんだよ」
「ええっ⁉」
「ねぇ、おじいちゃんは、タダシさんっていう人知ってる?」
その光景を見てふと思い出したので尋ねてみた。
「タダシ……一体どこでその名前を?」
「ひいおばあちゃん。昨日と、さっき洗面所で会った時、私の顔見てそう呼んでたの。もしかして、ご近所さんに似てる人がいるの?」
目を丸くする祖父に対面した時のことも踏まえて説明し、再度尋ねた。
名前の世代的に、息子か孫の子ども時代を重ねていたのかなと考えた。しかし、それなら呼び捨てか、◯◯くんと呼ぶはず。
自分の子孫にさん付けする人もいるかもしれないけど、おじいちゃんのこと、ヒロマサって呼び捨てしてたから、多分身内ではないだろう。
当てはまるとしたら、ご近所さんくらいだと思ったのだ。
「そうか……」
ポツリと呟き、感慨深そうに頷いた祖父。反応を見る限り、知っているっぽい。
「ご近所さんではないよ。タダシは、おじいちゃんのお父さん。一花ちゃんのひいおじいちゃんだよ」
「ええっ⁉」