彦星さまは会いたくてたまらない
「彦ちゃん
明日の土曜日は七夕だね。
予報は雨だけど
晴れるかなぁ?」
「先生と呼べ」
「アハハ
相変わらずの魔王っぷり。
頑固すぎると
彼女さんに逃げられるよ」
まぁ、彼女なんていないけど……
姫野のことは
俺の頭の中から消し去るって
決めたんだ。
婚約者あり設定を、続けておくか。
「俺の彼女は
頑固な俺に惚れこんでるから
問題なし」
「そっか、そっか。
彦ちゃんは
織姫ちゃんみたいな人と
出会っちゃったんだね」
ついさっきまで
声を上げて笑っていた凛空が
また、悲し気な表情を浮かべている。