彦星さまは会いたくてたまらない


「衣織ちゃんが
 彦星を見つけられるように
 一番近くで協力してきた。

 衣織ちゃんは僕に
 前世が織姫だって話してくれたことは
 一度もないんだよ。

 僕も彦星の親友だったことは
 隠してる。

 だから、彼女に気付かれないように
 こっそり彦ちゃんを探し続けてきた。

 でもさ……」



でも?



「僕は今、前世よりも深い罪を
 背負って生きてる」



「前世よりも……深い……罪?」

 なんだよ……それ……?





「僕ね、好きになっちゃったんだ……

 衣織ちゃんのこと……」






「……」






「だってしょうがないじゃん。
 毎日一緒にいるんだよ。

 僕の隣で衣織ちゃんが
 思いっきり笑ってくれるんだよ」




姫野のキラキラした笑顔。

純粋な天使みたいで

可愛いもんな。

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