あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「慶都さん……」


何を言っても聞いてくれない、慶都さんは、まるでわがままを言う子どもみたい。


私は、着ていたものを全て失い、代わりに新しいドレスを身にまとった。


背中のファスナーをゆっくりとあげて、そして、慶都さんは言った。


「完璧……だな。君のためのドレス。君に着てもらえて喜んでる」


「や、やっぱり似合わないです。ドレスが可哀想」


「彩葉、君はこんなに美しい。蓮も言ってただろ? もっと自信を持てばいい。だからといって他の男に目移りするのは許さない。彩葉は俺だけのものだから」


慶都さんは、いつものように慣れた手つきでワインを開けた。


グラスがどんどん赤く染まっていく……


「明日があるから、今夜はあまり飲めない。でも、ドレスの君を見ながらワインを飲めるなんて……こんな嬉しいことはない」


2人で乾杯する。


スーツ姿の慶都さん、私のドレスと合わせるための赤いネクタイなの?


こんなにも情熱的な色に囲まれて、私の体はだんだん火照り出した。
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