絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「みーちゃんが昨日ね、明日はホワイトやっていいから、今日はみーちゃんがホワイトって言ったの! だからいいよって言ったのに、今日もみーちゃんがホワイトやるって言うんだもん!」
「そんなこと言ってないもん! 私はジャンケンで決めようって言った!」
うーん、言った言わないの話になってるーー徳香は思わず眉間に皺を寄せた。
「そっか……。二人ともホワイトの役がいいの?」
「うん! だってかわいいから!」
「二人がホワイトじゃダメなの?」
「ダメ! ホワイトは一人だもん!」
「そっか。困ったねぇ。ちなみにちーちゃんはホワイトの役はやったことある?」
「うん、あるよ。でも昨日はやってない」
「みーちゃんは?」
「……昨日やったけど、でもホワイトがやりたいんだもん!」
「ホワイトは人気なんだ。でも、やりたい子がたくさんいるなら、順番に出来るといいかなぁって先生は思うな。もし誰か一人がずーっとホワイトをやってたら、その子と一緒に遊びたいって思うかな?」
「……思わない」
「だよね。例えば、昨日はみーちゃんだったから、今はちーちゃん、お弁当を食べたらみーちゃんで、明日の朝はちーちゃんとかはどう?」
「……私はいいよ」
「……私も」
「良かった! これで楽しく遊べそう?」
二人は大きく頷く。
「先生、お部屋でステッキ作ってもいい?」
「うん、ひよこ組に他の先生がいるから、一緒に作ってもらったら?」
「うん!」
園舎に向かって走る二人を見送り、徳香は再びアイスクリーム作りに戻る。しかしアイスクリーム屋さんは消え、女児たちは小さい男の子たちの山作りを手伝っていた。
「あれ、アイスクリーム屋さんは終わったの?」
「やりたかったんだけどね、この子たちに山に穴を掘って欲しいって頼まれちゃったから手伝ってるの」
「水を流したいんだって。先生も手伝ってくれる?」
「もちろん! じゃあ先生は大人用の巨大スコップを持ってこよう!」
「やったー!」
スコップを取りに行って戻る間にも、
「先生、どんぐりが見つからない」
「ダンゴムシを虫かごに入れたい」
「鼻水が出た」
と何度も話しかけられ、一つずつ対応していく。
なかなか休まらないけど、この忙しない感じがいいんだよねーー徳香は多忙な日々の中に、心の安らぎにも似た充実感を感じていた。