絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「……わからない。とりあえずもっと話してみたいとしか……あと写真を撮りたいかな」
「確かにいつもカメラ持ってるよね。カメラも趣味なの?」
「そう。息抜きみたいな感じかな。あまり見返したりはしないけど、データはパソコンにいっぱい入ってる」
徳香はニヤニヤ笑いながら信久の顔を覗き込む。
「わかった。そうやって長崎さんの写真を見返してるんでしょ?」
初めて信久が照れた瞬間を目撃し、徳香は身悶える。
「やだ、信久ってば可愛いところもあるじゃない! 恋はウキウキだもんね!」
「なんだよ、それ……」
そんな話をしていると、二人の元にパスタが届く。お腹を空かせていた徳香は、すぐに食べ始めた。
「社食って、こういうメニューがあったりするの?」
「まぁこんなにオシャレじゃないけど」
「いいなぁ。私もそういう生活にちょっと憧れるなぁ。お財布とスマホを持って『ちょっと行ってきまーす』とか言ってみたい」
「毎日お弁当なの?」
「うん、今時珍しいけどね。でもアレルギーの子も多いし、量もお母さんたちが調節してくれるから残す子も少ないかな。ただ私なんかは毎日作るのがちょっと面倒な日もあるけど。だから出来上がって出てくる食事にありつけるのが羨ましい」
「ふーん……でも毎日作って偉いよ。俺には出来ない」
信久の呟きを聞いた徳香は、褒められた気がして嬉しくなる。当たり前のことのようにやっていることだけど、頑張りを認めてもらえた気がした。
「ありがとう」
そう言うと、弾けそうな笑顔を彼に投げかけた。