絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「あのさ」
信久は下を向いたまま体を徳香の方へ向ける。
「徳香の写真、撮ってもいい?」
「……はい?」
「今日新体操を見て気付いたんだよ。徳香ってめちゃくちゃスタイル良いし、顔も可愛い。被写体としてすごく魅力的だってこと」
「な、何それ……ま、まさか、グラビアとか⁉︎」
「えっ、脱いでくれるの?」
「ぬ、脱ぐわけないじゃなーい!」
「あはは! そんなのわかってるって。そうじゃなくて、二人でいる時とかさ、徳香の写真撮っていい?」
信久の顔は至って真剣だった。ふざけて言っているわけじゃないなら、断る理由は見当たらない。でも急にそんなことを言われたら、どこか照れ臭いし戸惑う。
「……なんで私なの? 長崎さんの写真を撮ればいいじゃない……」
「もちろん長崎さんも撮るよ。でも徳香の写真も撮りたいって思ったんだ」
「……変な写真は撮らないって約束してよ」
「変な写真は撮らない、約束する」
そんな約束しなくたって、元々信久のことは信頼してる。スタイル良いとか可愛いとか、言ってることは意味わかんないけど、信久ならって思ってる自分もおかしいのかな。
「……じゃあいいよ」
そう答えると、信久は嬉しそうにガッツポーズをする。信久の言葉と行動の真意がわからず、徳香は首を傾げて困ったように笑った。