絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
◇ ◇ ◇ ◇
二人はお茶をすすりながら一息ついていた。すると杏がニヤニヤしながら信久を見てくる。
「二人のこと、聞いてもいい?」
「答えられる範囲なら」
「なんかね、あまり二人が一緒にいるところを見たことなかったからちょっと意外で……。でも二人で出かけるくらい仲良しなんでしょ? いつ頃から仲良くなったの?」
「ここ二ヶ月くらいですかね。お互い映画が好きで、たまたま映画館で会ったんです。それから二人で出かけるようになって……」
あの頃は話の合う友人だった。気を張らなくても、映画を見てお喋りをするだけで楽しかった。
「変わったのは、あの新体操を見た日から……。たぶんギャップ萌えってやつです。意外な一面を知ったことで、彼女を見る目が変わったんです」
あれがなければ、今も長崎さんのことが好きで、徳香のことも切磋琢磨し合える友人のままだった気がするーー信久は苦笑した。あの日初めて恋という感情を知ったのだ。人生何が起きるかわからない。
「あのね、別に彼女に笹原くんを諦めてほしくて言うわけじゃないんだけど……というかそんな嫌な女になりたくないし。だけど、松重くんのこと、応援してるよ」
「あ、ありがとうございます」
「でもね、今のままじゃきっと小野寺さんは気付かないよ! もっとちゃんと好きだってことを知ってもらうようなアプローチしないと!」
「アプローチ……ですか?」
「あのね、何もしなくて伝わることなんてないのよ……。何もしていない私が言えた義理じゃないけど、好きな人がいる人は特に周りが見えてないと思うの」
確かに長崎さんに対しても、気付いてくれたら嬉しいくらいにしか考えたことはなかったかもしれない。
だが徳香は手を繋いだって気づいてもらえなかったのに、このまま何もしなければ距離が近付くことはないだろう。そもそも自分から行く方法なんて知らない。
「あの……例えばどんな感じですかね……」
「そうね……女子がドキドキすること? 壁ドン、頭撫で撫で、バックハグ、顎クイとか?」
信久は思わず絶句した。それって漫画や小説の中でのことで、現実には存在しないんじゃないのか? いや、する奴がいて、女性はそれを期待していると⁉︎ ーーそんなことが出来る自信はなかった。
「長崎さんって少女漫画好きなんですか?」
「あら、バレた。でもね、君は人よりかなりアピール力が弱いから、それくらいあからさまでも良いと思うけどな」
杏は人差し指を立て、笑顔を見せる。
「わ、わかりました。やってみます。でもこれだけ伝授したんですから、長崎さんも頑張ってくださいよ」
「わかった。お互い頑張りましょう」
信久は頷いたが、同時に不安も覚える。とりあえず家に帰ってから調べてみようと心に決めた。
二人はお茶をすすりながら一息ついていた。すると杏がニヤニヤしながら信久を見てくる。
「二人のこと、聞いてもいい?」
「答えられる範囲なら」
「なんかね、あまり二人が一緒にいるところを見たことなかったからちょっと意外で……。でも二人で出かけるくらい仲良しなんでしょ? いつ頃から仲良くなったの?」
「ここ二ヶ月くらいですかね。お互い映画が好きで、たまたま映画館で会ったんです。それから二人で出かけるようになって……」
あの頃は話の合う友人だった。気を張らなくても、映画を見てお喋りをするだけで楽しかった。
「変わったのは、あの新体操を見た日から……。たぶんギャップ萌えってやつです。意外な一面を知ったことで、彼女を見る目が変わったんです」
あれがなければ、今も長崎さんのことが好きで、徳香のことも切磋琢磨し合える友人のままだった気がするーー信久は苦笑した。あの日初めて恋という感情を知ったのだ。人生何が起きるかわからない。
「あのね、別に彼女に笹原くんを諦めてほしくて言うわけじゃないんだけど……というかそんな嫌な女になりたくないし。だけど、松重くんのこと、応援してるよ」
「あ、ありがとうございます」
「でもね、今のままじゃきっと小野寺さんは気付かないよ! もっとちゃんと好きだってことを知ってもらうようなアプローチしないと!」
「アプローチ……ですか?」
「あのね、何もしなくて伝わることなんてないのよ……。何もしていない私が言えた義理じゃないけど、好きな人がいる人は特に周りが見えてないと思うの」
確かに長崎さんに対しても、気付いてくれたら嬉しいくらいにしか考えたことはなかったかもしれない。
だが徳香は手を繋いだって気づいてもらえなかったのに、このまま何もしなければ距離が近付くことはないだろう。そもそも自分から行く方法なんて知らない。
「あの……例えばどんな感じですかね……」
「そうね……女子がドキドキすること? 壁ドン、頭撫で撫で、バックハグ、顎クイとか?」
信久は思わず絶句した。それって漫画や小説の中でのことで、現実には存在しないんじゃないのか? いや、する奴がいて、女性はそれを期待していると⁉︎ ーーそんなことが出来る自信はなかった。
「長崎さんって少女漫画好きなんですか?」
「あら、バレた。でもね、君は人よりかなりアピール力が弱いから、それくらいあからさまでも良いと思うけどな」
杏は人差し指を立て、笑顔を見せる。
「わ、わかりました。やってみます。でもこれだけ伝授したんですから、長崎さんも頑張ってくださいよ」
「わかった。お互い頑張りましょう」
信久は頷いたが、同時に不安も覚える。とりあえず家に帰ってから調べてみようと心に決めた。