絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「へぇ、そうなんですね」
はぁ、早く帰りたい。信久ならこんなこと絶対に言わないのにーー。
「ねぇ、ノリカちゃんて今彼氏いるの?」
「いえ、いませんけど……」
「じゃあさ、俺なんてどう? ずっとノリカちゃんのことカワイイなぁって思ってたんだよね」
「うーん……今は仕事が忙しいから、彼氏はいいかなぁって思ってて」
「またまた、そんなこと言ってうまくはぐらかそうとしてるでしょ? 俺、好きになったら結構一途だよ。一緒にいたら楽しいって、絶対」
なんでだろう。出てくる言葉全てが嘘くさく聞こえる。しかもこの人のこの自信がどこから出てくるのかわからなかった。
「いや、だから今は……」
「じゃあさ、連絡先だけ交換しない? とりあえずデートしようよ」
この人、全然人の話を聞かないタイプだわーー呆れて言葉を失った瞬間、男に肩を掴まれ、徳香は体中に鳥肌が立つ。
「や、やめてください!」
抵抗しようとした時だった。
「あれ、徳香?」
聞き覚えのある声ーー突然名前を呼ばれ、声のした方を振り返ると、信久が驚いたような顔でこちらを見ていた。