秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
「優しそうなご両親だね」

「う~ん。千香や陽太にはって言っておこうかな」

 その口ぶりからすると、私とのことで相当絞られたのかもしれないと苦笑する。けれどそれは、小田切の両親が大雅を大切にしている証拠なのだろう。そこに愛がなければ、本気でなんか叱らない。
 父や母に𠮟責された経験のない私とは、大違いだ。

 帰宅しても陽太は起きる気配もなく、そのままベッドに寝かせてやった。

「寝る子はよく育つって言うし、将来が楽しみだ」

 陽太が愛しくて仕方がないという表情で、大雅がその寝顔を覗く。

 そのままふたりしてしばらく陽太を眺めた後、自分たちも寝支度を済ませてリビングのソファーに隣り合って座った。

「大雅に再会して、こうして一緒に居られて本当に幸せ」

 想像もしていなかった状況に、少なからず戸惑いはある。でも、好きな人と一緒にいられる幸福感に、そんな言葉が自然と口を突いて出た。

「ええ!?」

 ここで不満の声があがるのはなぜなのか。困惑しながら大雅に視線を向けた。
 なにか機嫌を損ねる発言をしてしまったのかと、不安になってくる。

 隣に座る大雅はわざとらしく不機嫌さを醸し出し、どこか茶化した視線を私に向けてきた。
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