秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
 とはいえ、梨香のせいでアメリカに行かなくてはならないのはなんだか腑に落ちない。
 大雅の気持ちだって、私は尊重したい。

「私と陽太のことは別として、大雅はどうしたい?」

 私たちは家族なのだから、彼の本音を教えてほしい。

 ほんの数秒考え込んだ大雅は、自分の気持ちを話してくれた。

「頼られるのは嫌いじゃない。来てほしいって言ってもらえるのなら、それに応えたいとも思う。俺の中で優先順位が家族だったから、最初は相談するまでもなく断ったけど、身軽な独身時代なら即答で受けていたかもしれない」

 ちゃんと聞いておいてよかった。
 私と陽太の存在が足かせとなって、彼を後悔させるような選択だけは絶対にさせたくない。

「小田切の両親には寂しい思いをさせちゃうけど、私はしばらく遠くへ行くのは賛成。アメリカ行きを大雅も望んでいるってわかったし、三人が一緒にいられるなら心細くないわ」

「そうか。じゃあ、そういう方向で話を進めるね」

「うん」


 そんな話をした数日後、半年後にアメリカへいくことが決まった。

「出発までに加奈子さんにも会いに行きたいなあ」

「そうだね」

 加奈子さんとはメールや電話のやりとりが続いており、早速会いに行く約束を取り付けた。
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