S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「よくわからないことが怖いからって、逃げてちゃだめだよ。きちんと夫婦で解決しよう」
言い当てられ、言葉に詰まっていると、要さんは私の肩を抱き寄せた。
「今日は、キミからキスして」
それを聞いて、ぶわっと顔が熱くなる。
―――まただ。
半年も費やしてキスに慣れてきたとき、要さんがそんなことを言い出した。
私は、自分からするキスにいまだ慣れない。
だけど、要さんは挑発するように私に言う。
「できない?」
「で、できます!」
(仕事で挑発され続けられているせいか、『できない』って言えない身体になっているような……)