S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
言ってから後悔していると、じゃ、と要さんは目を瞑る。
私はこの前教えてもらったように、要さんに向かい合わせになって、要さんの太ももの上に、失礼します、と言って座る。
それから、要さんの両肩に手を置いて、それから、目の前の精悍な顔立ちに目を向けた。
目を瞑っていても、整った顔立ち……。
恥ずかしいけど、やらないと終わらない。その類のことは人生でままあるが、これが一番恥ずかしいと思っている。だからこそ早く済ませたいのだ。
そう思って、勢いよく自分の唇を要さんの唇にくっつける。
「……んっ」
文字通りくっつけ終わると、私はすぐにその唇を離した。
要さんの目が開く。
私がペコリとお辞儀をして要さんの上から降りようとすると、要さんは私の背中に腕を回して私を動かせないようにすると微笑んだ。
その微笑みを見て、ミラー効果のように私も、ぎこちない笑みを返す。
次の瞬間。要さんは私の後頭部に手を這わして、
「キスはもう少し長くするって教えたのになかなか覚えてくれないな」
と呟くと、そのまま顎に手をかけ、私の唇にキスを落とした。
苦しいのに、何秒も、何十秒も……。