S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

「七瀬いろはさん。北条ホールディングスの人事部で要を助けてくださっているようですね」

 少しして、最初に口火を切ったのは、北条グループ総帥で部長の祖父でもある北条重さんだった。
 私は慌てて手を胸の前で振る。

「……いえ、助けるなんて。まさか」

 私はそう言い、それからちらりと部長を見て続けた。

「あの……ぶちょ、いえ、要さんであれば、急いでお見合いされなくとも、引く手あまたではないんでしょうか」

 部長のことは上司として尊敬している。
 それに、とんでもなくもててるらしい、と噂レベルで耳にしたことがある。

(それがなんだって、私とお見合いなんて……)
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